げに一刻も千金の

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【キタニタツヤ】新アルバム「BIPOLAR」から感じるキタニの変化

お久しぶりです。findmanです。

約一ヶ月ぶりに沈黙を破った(ブログ更新をした)のには理由がある。

それは、、、キタニタツヤの新アルバムが発売されたことだ!!!

てことで、今回はキタニの新アルバム「BIPOLAR」を聞きながら、思うままにつらつらと感想でも書いていこうと思う。

 

更に加速度を増すキタニタツヤ

さて、俺は結構前からキタニを追っていて、最近すごい感じてる事がある。

それは、キタニの加速度がどんどん増している、ということ。

2021年は、シングル毎月更新から始まり、アニメ主題歌、ブリーチ原画展への楽曲提供とその活動の幅を拡大していったわけだけど、2022年では更にそれがデカくなってる。

具体的には、まず1月にはドラマ主題歌、挿入歌の2曲をタイアップで作成。最近だとこのアルバムはもちろん、「すいちゃん」や「私立エビ中」への楽曲提供、そしてプロセカには「はるまきごはん」とタッグを組んだ「月光」を提供するなど、キタニの活動はどんどん広がっていく。

自分の曲、自分の歌だけでは終わらない、作曲家、アーティストとしてのキタニもかっこいいよね。

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(この楽曲は本人歌唱Ver、ボカロVer、プロセカのユニットであるビビバスVerの3バージョンがあるが総じて神。あと、プロセカへの楽曲提供をしているおかげで布教しやすいのはありがたい、、、)

 

BIPOLARについて

さて、続いては今回のアルバム「BIPOLAR」について少し駄弁を。

BIPOLARは「双極性」という意味であり、インタビューの中でキタニは人の二面性について語っていた。

そして、このアルバムではまず前半に5曲収録されており、後半の5曲は前半の曲の対になるように作られている。

BIPOLAR” Official Album Trailer - キタニタツヤ / Tatsuya Kitani - YouTube

これまたインタビューからの引用なんだけど、キタニ自身がこのアルバムを「(キタニの音楽は)丸くなった」と評しており、俺自身もその評価に納得できる。

てことで、こっからなんで俺が納得できるのかも含め一曲ずつ見ていこう。

 

振り子の上で

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いままでのキタニっぽくない曲で始まるこのアルバム。

この曲は喜びの歌と対になっており、このアルバム全体のテーマである双極性というか、一極端じゃなくて人の感情はコロコロ変わるものだ、という主張が伺える。

 

PINK

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もし俺が「BIPOLARで何が一番好き?」と問われれば脊髄反射で「PINK!!!」と答えるだろう。

この曲は「ちはる」と対になっており、インタビューでのキタニ曰く「自分の好きなように曲をつくった」らしい。

キタニの脊髄から生み出される、初期からの退廃的で刺激の強い曲調が大好きな俺にめちゃくちゃ刺さった。

てか考えてみてくれ。「キタニ」が「桜」を題材に「均等な美しさの恐怖」を歌ってる曲がPINKなんだけど、これが悪い曲なわけない。

俺的に刺さったポイントは様々あるんだけど、まずはイントロの強烈さ。もう耳から離れない。

そして桜の美しさを「恐怖」の対象として書く斬新さ。

補足すると別に桜の綺麗さを恐れるという作品は昔からいくつか存在するんだけど、俺の教養がなくてそういうのを知らなかったから斬新に感じた。

まあ一般的に美しいとされる桜を逆説的に描く曲をわざわざ作ったあたり、やっぱりキタニはどこかしらひねくれてるんだなと感じたり感じなかったり。

あと、印象的な「桜の樹の下にはXXXが埋まっている」は、ある短編小説(俺はPINKを聞くまで知らなかったけど)から引用してるんだけど、それを持ってくる教養の深さよ、、、、感嘆、、。

ちなみにその短編小説は青空文庫でWeb上で読めるかわぜひ読んでみよう。

PINKの歌詞の中に「ここ小説から引っ張ってきてんなー」ってところがいくつか見つかるから。

他に、印象的な部分として「誰かが歌ってた、神の手はにじむピンク」がある。これはあるバンドの曲の引用なんだけど、キタニいわく「意味もなくパッと浮かんだからこのフレーズを持ってきた」らしい。

そのバンドの引用元の楽曲を聞いてみたが、キタニの言っているように特に意味はなく、フレーズが良かったから持ってきてる感じがした。

そして、極めつけはPINKのMV。まじで最高。こうゆうキタニっぽさ全開の気持ち悪い(いい意味で)MVがたまらん。MV制作陣に敬礼。

 

冷たい渦

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次はドラマ主題歌の曲。

キタニっぽさは残っているけどかなり大衆に受けるような曲調になってる印象。やっぱ丸くなってんだね。

いい意味で「よくあるドラマ主題歌」って感じの雰囲気になっている。

 

タナトフォビア

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これはキタニ臭の強い曲。

この曲はブリーチ原画展への提供曲の2曲め。

何がいいかってこの曲はキタニお得意の、他の誰も扱わないような題材を用いていること。

タナトフォビアは「死恐怖症」という意味で、死にひどく恐怖する精神的な病気?を表す語である。

これは歌詞の一部。「目の奥にコールってなんだよ??」「ヴァニタスってなんだよ!!」みたいな、考察欲を沸かせる歌詞に俺は笑顔。

 

聖者の行進

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アニメとのタイアップ曲で、キタニタツヤ名義ではおそらくYoutube,Spotifyでいっちゃん再生されてる曲。

その理由はもちろんアニメブーストもあるんだと思うけど、サビ前からサビへの盛り上がりが秀逸すぎてリピートが止まらなくなる。

また、MVもキタニの黒服を率いてる感じが解釈一致でリピートが止まらなくなる。

 

夜警

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まじでキタニっぽさのない曲。それでいてキタニ楽曲の中での一番のスルメ曲だと思う。

最初聞いたとき、「うーん、全然キタニっぽくない、、、」とあまり好きではなかったけども、アルバム曲をループしている中でいつの間には「あれ、これはこれで、、、」となっていた曲。

また、「聖者の行進」と対になっており、密集して暮らす人の冷たさを描いている。

あと、「夜警」というタイトルは「夜警国家」という語から取ったのではないかと考えられる。

夜警国家とは

国家の機能は,外敵からの防御,国内の治安維持など,必要最小限の公共事業にあるとする国家観(コトバンクより)

 

Rapport

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こちらもブリーチ原画展への提供曲。

ブリーチの世界観とキタニ曲調がうまく合わさった楽曲だ。

「タナトフォビア」と対になっている。

プラネテス

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ドラマ挿入歌として制作された曲。

キタニ曰く「00年代のドラマ主題歌を聞きまくって作った。」

これまでのキタニでは絶対書かないようなキャッチーなJ-popとして制作されたのがこの曲。

「冷たい渦」と対になっているんだけど、両方ともドラマ関連というところがあってか、キタニ楽曲にしては大衆向けっぽい曲調になっている。

ちはる

ヨルシカで関係を持ってて昔からの友達であるn-bunaとタッグを組んだ作品。

アサヒスーパードライへの描き下ろしで、ドライ側から「爽やかな曲で」というオファーがあったらしい。

確かに曲調はかなり爽やかだが、歌詞はやはりキタニらしく、悲しいラブソングのような歌。過去楽曲で、「輪郭」とか「君の続き」とか恋愛系の曲を書いてるんだけど、大体悲しい。でもそれがいい。

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(マイナーだがメッチャイイキタニの曲を布教したい)

 

よろこびのうた

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かつてShortバージョンのみ公開されており、フルの公開が望まれていた楽曲。

今回のアルバムではトリを飾り、「振り子の上で」と対になる。

「死にたい」ではなく「消えたい」と書くことで、ただ漠然と、深い理由もなく、現代人がふと感じる一瞬の逃避願望を表しているのではないかと思ったり。

ちなみにループ再生をすると「よろこびのうた」→「振り子の上で」と流れ鳥肌展開。

そっから「PINK」が来て最高潮。

そんな感じです。

 

キタニらしさと変化

さて、ここまで俺は記事中で「キタニらしい」という語を多用してきた。しかし、俺のこの語は正しいというか、そのまま使っていて正解なのだろうか。

キタニはBIPOLARのインタビューの中で、「脊髄反射で作る曲といろいろ意識して作る曲とがある。両方をバランスよく立てるのが目標。」というニュアンスの話をしている。

俺が記事の中で「キタニらしさ」として扱っていたのは、いわゆるキタニの脊髄反射の部分だ。

しかし、それは「キタニらしさ」なのだろうか。

これまたインタビューで「抽象的な表現が好きだが、難解になりがちだった。よろこびのうたというタイトルは抽象的でありながら簡素に表せた。これは成長だろう。」というような話をしている。

キタニ含め自分たち人間は変化する生き物であり、BIPOLARの題材のように双極性を持つ。

そんなものを「キタニらしさ」という一極的な表現で表していいのだろうか。

そんなもやもやを抱えながら今日は寝たいと思う。

最後に

さて、久しぶりの投稿となったんだけど、やっぱりしばらく書いてないと「書きてーな、、、」と漠然と思うようになってくる。

やっぱアウトプットの環境が少なくなるからかな。

てことでまあ今回はここまで。投稿は相変わらず不定期だけど読んでくれるとありがたい。じゃ。